お菓子の会に参加された方から、「パウンドケーキを作っていて。切り分けると真ん中と端では大きさが違うのですが、どうしたらいいですか?」とご質問を頂きました。
昨年、tumblerのブログで「ベーキングパウダーについて」の記事を掲載しましたので、こちらでももう一度皆さんと共有したいとおもいます。
皆さんは、普段どちらのベーキングパウダーをお使いですか?
必要な時に買いに行き、そこにあるものを購入していますか?
私が普段使っているのはラムフォードのベーキングパウダーです。
ベーキングパウダーと記載されて売っているものが、全て同じものではありません。
ラムフォードのベーキングパウダーの組成と、他のメーカー組成。
違いますね。
ベーキングパウダーはメーカーによってすべて組成が違います。
ベーキングパウダーは、炭酸水素ナトリウムに熱が加わることでガスを発生させて生地を膨張させます。
第一リン酸カルシウムや酒石酸水素カリウムなどは、ガスの発生を促す助剤。コーンスターチは炭酸水素ナトリウムと助剤が反応しないようにするための遮断材です。
助剤の配合が変わると、ガス発生のタイミングが変わります。
早くからガスを出す即効型タイプ、徐々に徐々に長い時間ガスを出すタイプなど、メーカーによって違いますし、同じメーカーからタイプの違うベーキングパウダーが販売されていることもあります。
お菓子を試作する時ベーキングパウダーが必要なら、私はまずラムフォードで試作します。
ミニパウンド型でパウンドケーキの試作をしたとき時、中央がパックリ割れてこんもりお山の形を目指していたのですが、その時のパウンドケーキの配合にあっていたベーキングパウダーは愛国の赤缶でした。
焼成温度は180℃。周りの生地が焼き固まり、まだやわらかい生地が逃げ場を求めて真ん中で膨張するイメージで焼きます。
パウンドケーキでも、大きく焼いて切り分けて販売したい場合、こんもりお山のパウンドケーキだと、両端と中央では大きさが違います。
同じ厚みで同じ大きさで1カットの価値を同じにするためには、型全体均等に膨らんだ方が都合がいい。
そんなパウンドケーキを作りたいときは、私はメレンゲの泡がオーブンの中で熱膨張して膨らむ力とベーキングパウダーや重曹を組み合わせて均等に焼き上げます。
そして焼成はじっくりとメレンゲの泡が生地を持ち上げていくイメージ。こんもりタイプよりやや低い170℃位で焼成します。
試作をする時は、ベーキングパウダーのメーカーも記録しますし、実際に講座で使用するのも試作と同じメーカーを使います。
そうでないと、焼き上がりの形が違っていたりするので怖い。
ちなみにベーキングパウダーなど、計量はすべて重さで測ります。
食べきれないので試作はできるだけ最小量で作り、配合が整ったのちに実際の講座の量で作ってみて最終確認しています。
ベーキングパウダー小さじ1杯はすりきり1杯のことですが、少量になればなるほど誤差が出て正確に計量できません。
施設でのお菓子作りのレシピをデータ化する時も、誰が作っても同じになるように、レシピはすべてg表記です。
ベーキングパウダーが変わると、いつものお菓子とは違う状態になるかもしれない。
ベーキングパウダーがなければ、その働きと同じよう働きをするものがないか考えて試してみる。
お菓子は化学変化。理想のお菓子に近づくためには、予測して、試して、の実験の繰り返しです。
お手持ちのパウンド型にぴったりな理想の配合が見つかるといいですね。
四国地方は昨日梅雨入りしました。
今日の徳島市内は、霧雨が降ったり止んだり晴れたり曇ったり。湿気の多い一日でした。
気温も上がってきたので、来週リクエスト頂いているデコレーションケーキの会やタルトの会に備えてエアコンのお掃除や試運転をしたり。
お菓子作りにはちょっと困った季節に突入しましたね。
タイトルの「粉の保存について」です。
私は粉は室温保存しています。
冷蔵庫に保管すると、使うときに粉が結露して湿気を含んでしまうからです。
粉末のもので冷蔵庫保存しているものはアーモンドパウダーぐらい。
粉糖と同量合わせてタンプルタンにして使う場合は、必要量を量り取り室温に戻してから粉糖と合わせています。
だから、粉は早く使い切るように回転を良くを心がけています。
お菓子によって色々な粉を使ってみたくなりますが、私は主にスーパーバイオレットとカメリヤを小ロットで購入し、ブレンドしたりして使っています。
試作の要素に粉の種類も加えると、複雑になりますしね。
選択肢を減らすのも目的かな(笑)。
次回のエミール講座のご案内です。
ロールケーキマスターの最終回!
焼き面が表になるようにして、ラム酒に漬けたふっくらレーズンをとチーズクリームを巻き込みます。
大人のロールケーキ。
苺やバナナを巻き込むのと違って、きれいな「のの字」に巻きやすいですよ。
一緒にロールケーキ作りませんか?
エミールさんのホームページお申込みフォーム、
またはお電話(088-637-0241)でお願いいたします。
エミールさんで皆さんと一緒に「メイプルバナナロールケーキ」を作ってきました。
参加してくださった皆様、ありがとうございました。
ロールケーキマスターと題して、1回目の先月は全卵を泡立てる「共立てスポンジ生地」をつかった苺のロールケーキでした。
2回めの今日は、卵黄と卵白を別々に泡立てるシフォン生地ベースのスポンジを使ったロールケーキです。
生地にもクリームにもメイプルシュガーを加えています。
バナナに負けないようにもっとメイプルを強く出したい。けれどメイプルシュガーを加えすぎると舌の脇にえぐみを感じるようになり、その兼ね合いに苦戦しました。
今日は皆さんにもフェイスシールドを着用して頂きました。
蒸し暑くて霞んだ視界の中で、とっても作業しづらかったと思います。
ご協力ありがとうございました。
アクリルパネルで区切った単独作業、午前午後の入れ替わりの消毒、マスクにフェイスシールド、換気…
思いつく感染対策はすべてやりました。
「フェイスシールドしてお菓子作ってたよねー笑」って、この状況が早く笑い話になるといいな。
今日もきれいなお花といい香りのエミールさん。
お世話になりました。
5月9日の今日は母の日でしたね。
今年私達夫婦から母達には、美味しそうなものをポチッと贈りました。
こちらは、いつぞやかの母の日の贈り物です。
ちょうどパウンドケーキについての質問がありまして、タイムリーな写真があって今日のブログ記事に取り上げますね。
「焼き上がりのパウンドケーキの表面に白い斑点があるのですが、どうしてですか?」
母の日の贈り物のミニパウンドケーキに出ている、コレです。
生地を作るときに溶けきれなかったお砂糖が、焼成後に結晶化して浮き出てきます。
私が作っていてこの斑点が出やすいと感じるのは、スーパーで売ってあるグラニュー糖を使ったとき。
どんな砂糖を使うにしろ、初めにバターと砂糖をすり混ぜる「シュガーバッター法」で作るバターケーキは、しっかりと空気を含ませつつ白っぽくなるまですり混ぜ、ぬるめの卵(冷たくない卵)を加えて乳化させていきます。
やはり斑点は見た目にも良くないので、この現象は避けたいですね。
(お母さん、失敗作を贈ってごめんね。笑)
今年、息子達から母の日のプレゼントにもらったのは、息子おススメのアニメの中で私が大好きな原作本と、それを読むための時間。
ありがとう。
かわいい息子たちのおかげで、毎日が母の日です。
来週になりました。バナナとメイプルのロールケーキ講座。
今週は講座の調整でレシピや道具を見直したり、連日メイプルバナナロールケーキの試作です。
こちらは週半ばの試作品。
しっとりしてキメの細かいスフレ生地です。(でもやや生地が潰れている気がして、配合はまた変えました。)
メレンゲを泡立てるときの砂糖は、泡立ての段階を見ながら3回に分けて加えるのがセオリーでしたが、最近は最初から一度に加えてきめ細かなゆるめのメレンゲをたてて、オーブンの中で膨らむ余力を残しておく泡立て方を主流にしています。
メレンゲをいつ加えるかも迷いましたが、結局最後に2回に分けて加えることに決定。
メレンゲ一つとっても色々と可能性があって面白いですね。
ようやくレシピも打ち終わりました。
ロールケーキばかりで少し飽きていたのでシューのお菓子も作りたくなって。
美味しくないことはなくて。
失敗ではないのだけれど。
正解ではない気がして。
やりかけのお菓子がたまっていく。
4月のお菓子の会「フロマージュ・クリュ」が終了しました。
参加してくださった皆様、ありがとうございました。
いつもお世話になっている方がお菓子の会に初めて参加して下さったり。
常連のお客さまのご紹介で初めましてさんとお会いできたり。
フィナンシエや苺のタルトのリクエストも頂いて。
久しぶりにフィナンシエと向き合ったり、やっぱりタルトって好きだなとあらためて感じたり。
毎日ハラハラするようなニュースが飛び込んでくる中で、穏やかなひと時を皆さんとご一緒することができ、本当に感謝しています。
ありがとうございます。
お客様の作品です。
(ご紹介できなかったお客さま、ごめんなさい!写真もっと勉強してます…)
メールやライン、インスタのメッセージでも、ご質問くださっています。
お家でやってみてわからないことがあれば、どうぞご遠慮なくお尋ねくださいね。
4月のお菓子の会「フロマージュ・クリュ」。
チーズクリームの底にはクッキー生地、そこにホワイトチョコレートでスポンジを接着し、レモンクリームを塗っています。
「どうしたらきれいにカットできますか?」の、質問がありましたので、皆さんと一緒に共有しますね。
一晩冷蔵庫で冷やし固めたケーキは、クッキー生地も程よくしっとりしてカットしやすくなります。
作った当日は、クッキーが硬くて割れやすいです。食べる時もフォークがカツンとお皿にあたってケーキが飛び出すかもしれません(笑)。
カットする時は、温めた包丁で押し切ります。クッキーの部分まで来たらゆっくりと優しく力を加えてくださいね。
包丁をきれいにふき取り、半分ずつさらにカットしていきます。
1切れ1/8カットぐらいがちょうどいい分量かな。
マジパン講座を開催すると、必ず染色したマジパンが残ります。
マジパン細工の試作に使ったり、そのままマジパン玉をお茶請けに食べたり、クレームダマンドの砂糖とアーモンドパウダー代わりに使ったりもしますが、なかなかすっきり使いきれないところが悩み。
捨てることができない昭和生まれです。
ローマジパンを加えたしっとりパウンドケーキを目指し、細工マジパンを加えてみました。
マジパンが入っているわりにはモソモソして、今一つなパウンドケーキ。
マジパン再利用パウンドケーキ、何とかレシピ整えたい。