「お子さんのおやつはいつも手作りですか?いいですね、いつもこんなケーキが食べられて。」
よく言われます。
お菓子の試作や、会の検食として残しているお菓子、いつも何かしら私が作ったお菓子があるのは確かです。
徳島でお菓子の仕事を始めてからは、わざわざ子供のためにおやつを作ることはほとんどなくなりました。
子どもに食べさせたいお菓子…
もちろん、私が作ったお菓子を喜んで食べてくれたら私も嬉しいです。
でもね、息子が食べたいお菓子は違うんですよね(笑)。
長男は離乳食を始めてからすぐに小麦粉と卵のアレルギーが見つかり、3歳近くまで除去食でした。
おかげさまで食欲旺盛、何でもよく食べる子だったので、特に困ったことはありませんでした。
果物やお芋、おにぎりがおやつ。
私も授乳中は小麦と卵の除去をしていました。
除去食が解除になってしばらくして東日本大震災があって。
お菓子を作る気分になれず、除去食からさらにお菓子作りを離れる時期が続きます。
長男が幼稚園に入る頃には、何でも食べられるようになりましたが、かといってそれまでと食生活がガラッと変わった感じもなく。
ただ、お菓子を頂く機会があると、「嬉しいんですけど、アレルギーがあるので。」とお断りしていたのがなくなって、市販のお菓子も少しづつ食べるようにはなってきました。
あるとき息子のお友達の家に一緒に遊びに行くと、お菓子鉢を用意して下さっていて。
集まった子どもたちは少しお菓子をつまんだら、すぐにおもちゃの方に遊びに行ってしまいましたが、息子だけは初めて見るお菓子が沢山あって、ずっとお菓子を食べていました。ずっと。
「何でもほどほどに」
市販のお菓子を食べさせないようにしていたわけではないけれども、その時感じた私の気持ちです。
息子がスーパーで欲しがったお菓子を「これはダメ」と言ったことはありません。
次男は私の作ったお菓子をほとんど食べないし、市販のお菓子が大好き。
次男に対しても、同じように「このお菓子はダメ!」と言ったことはありません。
それでいて、次男は私に隠れてお菓子やジュースを買うんです(笑)。
「お母さんはこのお菓子を食べることを良く思っていない。」
言葉にしなくてもそんな雰囲気を私が出していて、息子が察しているのかもしれませんね。
手作りのお菓子や、体に優しいとかナチュラル素材のお菓子なんかを作るお母さんは良い母親で、駄菓子を与えるのはダメな母親。
手作りのお菓子や身体に優しいとかナチュラル素材のお菓子なんかを好んで食べる子は良い子で、駄菓子が好きなのは悪い子。
子供に与えるお菓子で、そんな風な印象が出来上がるのでしょうか。
親が子供に食べさせたいお菓子。子供が食べたいお菓子。災害や戦争で食べたくても食べられない環境。家族の事情。子供が喜ぶと思って用意してくださったお菓子。フードバンクに寄付してくださるお菓子。
今これが食べられる感謝の気持ちがあればいい。
お母さんは、あなたがどんなお菓子を食べていても「よかったね。」って笑って言ってあげたいと思っているんだけどな。